注文住宅の総費用を工事費の内訳から見てみましょう

注文住宅の総費用が高くなる3つの費用の内訳

 

注文住宅にかかる費用には、
数十種類もの内訳があるのですが、
大きく分けると次の3つに分けることができます。

 

  • 本体工事費
  • 別途工事費
  • 諸費用

 

どの費用も注文住宅を建てるときにはじめて知りましたが、
これを知らないで建てると、金額面でとんでもない失敗をしてしまいます。

 

まずはそれぞれがどのような費用なのか内訳を見てみましょう。

 

 

本体工事費の内訳

 

本体工事費は、建物本体を完成させるための費用
本体価格とも言われます。

 

 

注文住宅のチラシなどを見ていると、
「坪単価30万円!」などの文言が目に飛び込んでくるのですが、
この坪単価から計算して求められるのが本体工事費なのです。

 

計算式としては、次のような簡単なかけ算になります。

 

本体工事費 = 坪単価 × 坪数

 

 

例えば、坪単価50万円で30坪の家を建てるときの本体工事費は

 

50万円/坪 × 30坪 = 1500万円

 

となり、注文住宅にかかる費用って意外と安い!
って思ったかもしれませんが、
この金額では家を建てることができないのです。

 

注文住宅の購入価格 ≠ 坪単価 × 坪数 

 

 

じゃあ注文住宅にかかる費用はどれくらいなのか?というと、
本体工事費が総費用の70〜80%となるため、
先ほどの 50万円/坪 × 30坪 = 1500万円 の場合では、

 

1500万円 ÷ 0.7〜0.8 = 1900〜2200万円

 

が目安となります。

 

最低でも400万円もアップしてしまうなんて、
はじめはまったく想像できませんよね?
私もそうでしたからその気持ちはよくわかります。

 

このように本体工事費の割合を知っておくと、
失敗を防ぐことができますので、
しっかりと頭に入れておいてくださいね。

 

 

費用の割合については、イメージできたかと思いますが、
では本体工事費の内訳には何が含まれてるのでしょうか?

 

家を建てるために必要なものと考えれば、
イメージがわきやすいと思います。

 

例えば、コンクリートによる基礎工事、
柱を加工して組み立てる木工事をはじめ、
塗装工事、給排水設備の取付け工事、電気工事などです。

 

詳細な内容につきましては、下の表で確認してみましょう。

 

 

仮設工事費

建築するときの足場を作る、ネットを張る、養生する費用がこれにあたります。工事に必要な電気、水道、仮設トイレの費用、建築現場の清掃、片付けや廃材処理費も含まれます。

基礎工事費

地面を掘って、鉄筋を並べてコンクリートを流し込み、住宅の土台となる基礎をつくる費用です。地盤が弱いときには、鉄筋やコンクリートを増やすか、別途工事として地盤改良工事をする必要があります。

木工事費

木材を使用して住宅の骨組みや下地などをつくる費用です。大工さんの作業となります。

屋根工事費

屋根をつくる費用で、雨水が入ってこないような処理も含まれています。

外壁工事費

外壁材を取り付ける工事です。サイディングが一般的ですがレンガを使った外壁などは高級感があります。

建具工事費

室内のドアや仕切り、アルミサッシなど木製や金属製の建具を取り付ける費用です。和室ではふすま等を取り付けることになります。部屋数が多いほどこの費用は高くなります。

塗装工事費

住宅の屋内建具や外壁にペンキなどの塗料を塗る費用です。

タイル・石工事費

トイレ、お風呂、玄関、外壁などにタイルや石を貼る費用です。

内装工事費

建物内部の壁や天井にクロスを張る工事費のほか、床のフローリングなどの仕上げ費用もこれにあたります。

左官工事費

外壁や内壁など建物の表面を仕上げるために、壁土、モルタル、漆喰などを塗る費用です。職人の腕に頼るので、クロスやサイディングよりも高額になります。

雑工事費

防水処理、シロアリ処理、手すり、棚、床下収納設置など、他の項目に入らない費用がここに含まれます。

給排水設備工事費

キッチン、お風呂、トイレなど水回りの配管工事など、水やお湯の給水と排水のための費用。水栓の取り付け工事も含まれます。

電気設備工事費

メーター、分電盤の設置から配線、アースの施工、スイッチ、コンセントなどを設置するための費用。

空調設備工事費

換気扇などの配管、ダクトの取りつけなどの費用。

ガス工事費

ガス栓からメーターまでの配管にかかる費用です。

※オール電化住宅では必要ありません。

 

 

別途工事費の内訳

 

別途工事費とは、本体工事によって建てられた住宅で、
生活するために必要不可欠となる工事の費用です。

 

水道管の引き込みや排水工事、ガスの配管工事、
駐車場や庭などの外構工事、冷暖房工事などにかかる費用がこれにあたります。

 

 

本体工事だけでは建物が建っただけなので、
生活できるようにするために別途工事が行われます。

 

別途工事費は家を建てる工事ではないので、
それほど費用は高くないかな〜と思われがちですが、
実際には数百万円単位でかかってくるため、
こんなはずじゃなかった!
と予算計画が狂ってしまう方が多いのです。

 

 

本体工事費は、決められた予算で建てられるのに
別途工事費はなぜ予算計画が狂ってしまうのでしょうか。

 

これは、別途工事費は本体工事費と違って
工事をしてみないとわからないことがあるからです。

 

例えば、家を建てる土地の条件によっても費用が大きく変わります。

 

特に、土地の地盤が弱い場合には、そのままでは家を建てられないため
地盤改良工事が必要となります。

 

地盤改良の費用は、100万円以上になることがあるので
事前にかかりそうな額を見積もりとして入れておかなければいけません。

 

 

我が家でも地盤改良の費用として、
契約時には80万円ほどかかることを想定していましたが、
幸いにも地盤が強い土地だったので、
地盤改良の費用は一切かかりませんでした。

 

 

このほか、道路と敷地の高低差から給排水の配管などの費用がアップするなど、
別途工事費は予想できないものがあるのでご注意ください。

 

別途工事費は建ってみてはじめてはっきりする費用とも言えるので、
はじめからかかりそうな費用を見ておかないと、
予算オーバーとなってしまいます。

 

では、どのような費用が予算オーバーにつながりやすいのか、
別途工事の内訳も見ておきましょう。

 

 

地盤調査費用

注文住宅を建てる土地の強度を調べる費用です。これで調べた結果から地盤改良工事が必要か判断されます。

地盤改良工事費用

軟弱な地盤において、家が沈まないように地盤の強度を高めるための費用です。土地の軟弱さによって対処する方法が異なるので、弱ければ弱いほどこれの費用がかさんでしまうのです。 注文住宅の建てるときには重要な工事となります。

外構工事費

駐車場、塀、門扉、フェンス、庭、植栽など、建物の外まわりの費用になります。。凝れば凝るほど高くなっていく費用です。ここにつぎ込める費用があれば、豪華に見せることができます。

屋外電気工事費用

近くの電信柱から自分の家に電線を引き込むための費用です。

屋外給排水工事費

前面の道路から建物へ給配水管を引き込む費用。

屋外ガス工事費

敷地内へとガスを引き込むためにかかる費用。

解体工事費

もともと建ってある古い住宅を取り壊すための費用です。

冷暖房設備工事

エアコンや床暖房などの工事にかかる費用です。床暖房は入居後ってわけにはいきませんが、エアコンは入居してからでも取り付けることができます。

照明器具取付工事

照明器具を取り付けるための工事です。事前に買っておけば取り付けてもらうことも可能です。

 

 

諸費用の内訳

 

本体工事費、別途工事費は家を建てて生活するための費用でしたが
注文住宅を購入するときには これら以外にも諸費用が必要です。

 

建築やローンにかかる手続き、税金、登記費用、保険料などが諸費用にあたります。

 

 

我が家では、建築工事に着工する前にご近所への挨拶として、
しばらく迷惑をおかけしますという手紙と粗品を用意しました。

 

粗品を渡す範囲は、基本的には、向こう3軒両隣といわれていますが
我が家はもう少し範囲を広げてお渡ししました。

 

建ててくれる業者に相談できますが、
最終的にはご自身で判断しないといけません。
建てる場所によって環境が違うので、
状況に応じて渡す範囲を考えればいいですよ。

 

 

さらに、工事中は大工さんへの差し入れもしましたし、
地鎮祭・上棟式の費用もかかります。

 

家を建てるときには、上記費用はもちろんのこと、
引っ越し代金、新調する家具や家電などのお金も忘れずに計算しておきましょう。

 

場合によっては、引越しまでの仮住まい費用も必要です。
考えられる諸費用は次の表で見ておきましょう。

 

 

住宅ローンにかかる費用

住宅ローンをするときの事務手数料、ローン保証料、団体信用生命保険料、火災・地震保険料などがこれにあたります。

登記費用

所有権保存での司法書士への手数料、抵当権設定などにかかる費用です。

税金

印紙税、登録免許税、不動産取得税などがかかります。

地鎮祭、上棟式費用

工事をはじめる前、棟上げまで進んだときに行う儀式にかかる費用。

 

 

 

注文住宅における3大費用の割合

 

注文住宅の総費用を3つの費用に分けて説明しましたが、
それぞれの費用の割合は、平均すると次のようになります。

 

本体工事費 : 70〜80%

 

別途工事費 : 15〜20%

 

諸費用   : 5〜10%

 

例えば、本体工事費が2000万円の場合

  •  別途工事費 : 400万円
  •  諸費用   : 100万円

もかかることになります。あくまで目安ですが・・・。

 

諸費用は現金で支払うことがほとんどですので、
手元にはきちんと現金を残しておきましょう。

 

住宅ローンがつかえるのでは?と考えるかもしれませんが、
諸費用には住宅ローンは適用できません。

 

諸費用ローンというのもあるのですが、割高ですので、
できれば現金を用意することをオススメします。

 

 

注文住宅は自己資金ゼロでも購入できる!
と書かれていることがありますが
家具や家電などでも現金は必要ですよね?

 

ローンを借りるときの頭金はゼロであってもいいのですが、
現金は手元に残してローンを借りるようにしてくださいね。

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